5月 072016
 

ロイター記事「4月米雇用統計は想定内、インフレ加速なら6月利上げも」より。

4月の米雇用統計で雇用の伸びが予想を下回り賃金が増加したことは、米経済が完全雇用に近づく中、米連邦準備理事会(FRB)にとっては想定内の結果であり、利上げ軌道の変更に結びつく公算は小さいだろう。

4月は非農業部門雇用者数が16万人増と、7カ月ぶりの低い伸びにとどまり、伸びは市場予想の20万2000人増、および第1・四半期の月平均である20万人増を下回った。

もう一つ、ツイッターからの情報。フルタイム雇用の伸びとパートタイム雇用の伸びの比較。米国のフルタイムの雇用は、ようやく半年前ぐらいから、リーマンショック前を超え始めました。下右の見方は、リーマンショック前を0として、そこからどれぐらい増えたかを見ているわけですね。

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変化率だけ見てもよくわからないので、フルタイムの雇用者数実数の変化グラフを拾ってきました。2015年で1億2000万人ぐらい。関連記事「【アメリカ】景気後退前の水準までフルタイム雇用が回復」。

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あと、2016年1月~4月の実数を「Table A-8. Employed persons by class of worker and part-time status」というところから(単位:千人)。下左図は、アメリカではフルタイムとパートタイムで、どのぐらい雇用者数が違うのか見たかったので、同じスケールに載せています。下右図は、フルタイムは1億2千万人、パートタイムは2650万人程度のようです。全雇用者数に対してパートタイムは18%弱。

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日本だと、2016年3月のデータ(PDF)で、全雇用者数が5313万人に対し、パート965万人、アルバイト406万人なので、25%ぐらい(追記参照。22%に訂正)がパートタイムと考えると、アメリカよりだいぶ割合が多いです。

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[追記]

アメリカのデータは自営業も含まれているので、日本も自営業や役員を含めて全就業者数を見ると、6339万人となります。これに対する1371万人は約22%となり、差は縮まりました。

[追記2]

リーマンショック前、アメリカではピークで1億2109万人のフルタイム雇用がありましたが、ショック直後の2010年には1億1171万人まで、938万人のフルタイム雇用が減りました。日本は、「雇用者数」から「パート」「アルバイト」を引くと、下のようなグラフになります。ピークは2007年の4-6月で4444万人、最低は2014年の1-3月で4185万人、259万人の減少です。アメリカと比べると減るのが遅く、数は少ない、といった感じです。

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4月 282016
 

リクルートジョブズが「2016年3月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査」(PDF)の結果を公表しました。

三大都市圏の3月度平均時給は前年同月より17円増加の977円 33カ月連続で前年同月比プラス

職種別では「事務系」(前年同月比増減額+34円、増減率+3.5%)をはじめとするすべての職種で前年同月比プ ラスとなった。 前月比は「専門職系」(前月比増減額-3円、増減率-0.3%)でマイナスとなった。

とのことです。ブルームバーグがグラフを描いてくれたので引用します。

アルバイト・パート時給(ブルームバーグ作成)

アルバイト・パート時給(ブルームバーグ作成)

事務系の伸びがけっこう大きいです。事務というと派遣というイメージがありますが、長期でない場合や、フルタイムでなくても良いという場合はアルバイトになるようです。

時給が34円程度伸びると、フルタイムで年間で6万7千円の増です。これ自体が消費活動の活発化に寄与するかというとわかりませんが、これにつられて、すべての低所得側の賃金の底上げがあると、違ってくるかもしれません。